2009/04/02

釜山の海岸寺院

 釜山港の観光マップを見ていると、海岸の寺院の写真が目に飛び込んできた。

海東龍宮寺と呼ばれたお寺で、波が打ち砕ける海岸の奇岩怪石の上に建立されているらしい。

また、東海に昇るご来光の光景が非常に有名だという。私は急遽、海東龍宮寺へ行く事にした。


 釜山の地下鉄で中央洞から海雲台へ、そこから181番のバスで30分ほどで海東龍宮寺の入り口に着いた。

満開の桜並木道を登っていると何台もの観光バスが私達を追い越してゆく。かなりの観光地のようだ。

丘から少し下ると、大きな駐車場が現われ、参道には露天商が並んでいた。

 洞窟状のトンネルを潜り、階段を少し下りてゆくと突然岩場に建てられた海東龍宮寺が現われた。




海と岩と寺院、なんとも不思議なバランスを持った光景だろう。

境内には、あちらこちらで五体投地をしながら礼拝している人々の姿を見かけた。

韓国の人達は仏教に対して篤い信仰心を感じさせる。人々は、お寺から少し離れた海沿いに歩いていた。

そこは、ご来光を迎える場所で、東の太陽が昇るところに「日出岩」と彫られた岩が置かれていた。


 人々はご来光を遥拝する場所で熱心に祈りを捧げていた。

お寺の背後に奇妙な石積みがあった。まるでストゥーパを思わせる形をしている。

しかし、期待していた奇岩怪石はそれほど見当たらなかった。



海東龍宮寺を後にしながら石段を上がって、再度振り返ってお寺を眺めた時、この光景と似ている光景を思い起こした。

そう、それは高知県の足摺半島にある竜宮神社である。



東の海からやってくるご来光が、龍宮との関係性があるとすれば、海東龍宮寺の遥か海の東にある日本との関連性を暗示させるものがある。 韓国から見れば日本は、まさに日いづる国にあるのだ。                               光州にて 郡司拝