2009/06/13

イスタンブール、地下宮殿のメデューサに釘づけ

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10年ぶりにイスタンブールの街を歩くと、街はかなり洗練されていて心地よい感じがした。

いや、それはインドからやってきた者の過分な評価なのかもしれない・・・。


ブルーモスクの近くの地下宮殿は、イエレバタン・サルヌジュと呼ばれるローマ時代に作られた地下の大貯水池だ。

階段を降りると、ひんやりとした空気に心地よさを感じる。


下に降りきると、大きなスペースがありライトアップされていた。光を浴びた大理石の柱が整然と立ち並び、何とも幻想的な雰囲気を醸しだしていた。



池には水が貯まっていて、中を覗くと太った鯉がたくさん泳いでいた。

通路をさらに進むと、二つの柱に観光客の一団が取り囲んでいた。そう、そこにはメデューサの首があった。






メデューサとは、ギリシャ神話に出てくる女の魔物で、頭の髪は毒蛇で、猪の牙、青銅の手、黄金の翼を持ち、

見たものを石に変える魔力があるとされている。

メデューサの首は、横向きで柱の土台にされていて痛ましい。まるで、メデューサの魔力を封印するかのように建築資材として使われたかのように見える。


それにしても、観光客の多くはこのメデューサに釘づけである。その周りから人がいなくなることは無かった。


また、隣にもう一つの首があった。こちらは真っ逆さまに据えられている。



人柱ならぬ首柱は、ローマ時代の魔よけのような意味があったのだろう。


 カッパドキア・ギョレメにて    郡司 拝