2009/06/16

パモッカレの石灰棚と古代温泉、ヤリカワクのマサコさんとの再会

6月15日

カッパドキアから夜行バスで12時間あまり走り、早朝パモッカレに到着した。
ここは、古代遺跡ヒエラポリスと温泉プール、そして石灰棚の地形で知られている。

朝食を食べ、ゆっくり坂道を上がってゆくと白い石灰棚が見えてきた。まるで雪が積もって白銀の世界を造っているようで眩しい。水量が少ないようで、途中、空っぽの石灰棚もいくつかあり、丘上に近付くと棚田のような美しい石灰棚があった。


                  パモッカレ全景

            石灰棚


2世紀に造られたアポロン神殿は、プルトニオン(有毒ガス)が発生する場所に造られ神託が行われた。


                アポロン神殿跡
毒ガスがでる穴はプルトン(冥界)に通じる。かつて、巫女はこのガスを吸いこんでトランス状態になりアポロンの言葉を告げたとされる。ヒエラポリスとは、聖なる都市を意味する言葉だ。

また、ここには古代から治療に使われた温泉がある。今では温泉プールとして、入場料を払えば中に入る事ができる。我々は、久々の温泉に胸躍らせて温泉に向かった。入場券を購入し着替えて温泉の入口に行くと、係員は私の褌姿を見て、パンツをはけというのだ。私は、頭にきて褌は日本の伝統的なものであることを主張した。それからしばらくやりあった末、係員はしぶしぶ、褌で温泉に入る事を認めた。とにかく、入る事ができて内心ほっとした。


                  温泉プール

             源泉
温泉プールの中は、水着を着た人々が温泉に浸ったり、泳いだりしていた。面白いことに所々に石柱が転がっていて、温泉はまさに古代遺跡(世界遺産)の中にあるのだ。

源泉に近付くと深さが4mほど深くなっていた。そこは、下から細かい泡が吹き出していた。そう、それは重層(炭酸カルシウム)であった。泡は身体に付いて細かな気泡になって、とても心地よいのだ。

午後、パモッカレからボドルム、そしてヤリカワクへ向かった。

ヤリカワクに住む、マサコさんに会うためだ。マサコさんはトルコでヒーリングの仕事をされていて、トルコとインドネシアを拠点に暮らしている方だ。
マサコさんの家族、大久保ファミリーとは、10数年前にアフリカのマダガスカルを旅している時に出会った。彼らは日本を離れ31年間海外で生活をしていて、身近な仲間の間では伝説的なファミリーでもあった。
マサコさんとは昨年、東京の代々木公園で行われた友人のバンドにマサコさんの娘がダンサーとして参加した時に再会していた。

ヤリカワクは、トルコの南西の地中海沿いにある街で、今ではリゾート地として人気を集めているという。
マサコさんは、我々の突然の訪問を歓迎して下さった。お住まいは、海と山が見える素晴らしい環境で、心地よい風を浴びながら寛がせていただく。
その夜は、マサコさんの手料理とトルコワインをご馳走になりながら、宴に花を咲かせる。妻はマサコさんの生き方や薪を使っての料理に感動していた。


           
翌日、マサコさんはヤリカワクの街を案内してくれた
ヤリカワクの街は、近年リゾート地として開発され海外から多くの人々が訪れているという。
コバルトブルーの海は実に美しい。


            
徒歩で1時間ほどした処にある、Kaya Mezarlari という紀元前200年頃の古代遺跡に行く。
そこから青い海を見ながらお弁当をいただく。何ともゆったりとした贅沢なひと時を過ごす。
半島の入り江から少し上った処にある遺跡跡は、巨大な岩を洞窟状に加工したもので、自然の浸食も進んでいた。ここは、かつてお墓として使われたといわれる。


                    カヤ遺跡




ヤリカワクには、この他にも山上にいくつかの古代遺跡があり石造文化が多く残っているという。

マサコさんの友人にヤリカワクの役所に勤めている方がいて、彼に来年ここで石の写真展ができないかと提案したところ、さっそく私のホームページを見てくれ興味を示してくれた。


               ドーム・ギャラリー
うまくゆけば、来年の7月頃にヤリカワクで写真展ができそうだ。

            イスタンブールにて  郡司 拝