2010/01/07

アステカ「太陽の石」、オルメカ「巨石人頭像」

 1月3日
 メキシコシティの国立人類学博物館へ行く。広大な建物に膨大な展示の量と質に驚きながら、メキシコが持つ古層の遺物に圧倒された。ここで、どうしても見たかったのが太陽の石「アステカ・カレンダー」だ。



 1790年にメキシコシティの中央広場から発掘された石は、直径3.6m、重さ約24トンの円盤で中央に太陽神、その周りに複雑な文様が施されている。古代アステカ王朝6代目の皇帝アシャヤカトルが作らせたものといわれる。この暦は、宇宙が始まって4つの時代を示し、現在は中央の5番目の時代トナティウ時代を示している。暦は一年365日を正確に表し、アステカ人は暦に従って農耕と生贄の儀式を行っていたという。太陽の石は、今のトナティウ時代が2012年12月23日に滅亡(?)する予言をしているとか。いま話題の映画のネタは、ここからかきたのか。

 オルメカ文明のコーナーに巨石人頭像の掘り出した写真と本物の巨石人頭像が展示されていた。


その夜、アメリカ大陸最古の文明とも言われるオルメカ文明の巨石人頭像があるビジャエルモッサへ向う。

 翌4日
 メキシコシティから夜行バスに揺られて14時間、タバスコ州の州都ビジャエルモッサに到着する。
ターミナル近くの、ホテルにチェックインして、屋台でタコスを食べてからラベンタ遺跡公園へ歩いて行く。
オルメカ文明の中心地だったラベンタ遺跡は、ビジャエルモッサの西約130kmにあり1925年に発掘調査で数々の石像が発掘された。ラベンタ遺跡の遺物をビジャエルモッサの公園に移設したのが、このラベンタ遺跡公園である。

ラベンタ遺跡公園は、動物園と併設された公園で、森の中の約1kmもの遊歩道を歩くと33個の石像と出会える仕組みになっている。天を見上げる猿の石像、石柱の列石、石柱の墳墓などは実に珍しい。



中でも、高さ2m、重さ20トンの巨石人頭像はオルメカ文明を象徴している。

この石像は、紀元前1200年から紀元前400年の間に造られたものと考えられ、分厚い唇、扁平な鼻、その表情がアフリカ系黒人に似ている。オルメカとは、ナワトル語で「ゴムの地の人」という意味で、スペイン人渡来前にメキシコ湾岸南部に住んでいた人々を指していた。

謎のオルメカ文明、この玄武岩を彫ってつくられた巨石人頭像は、いったい何を語っているのだろうか・・・・。

                     メキシコ、メリダにて
                             須田郡司 拝