2010/10/31

イベント案内

 10月16日「イワクラサミットin 上毛」(高崎市榛名文化会館エコール)、翌17日イワクラツアーが無事に終った。サミットはイワクラ学会会員、一般の人を合わせて70数名の方々にご来場いただいた。イワクラツアーは、榛名神社、産泰神社、名草巨石群、観音山古墳を予定通に巡る事ができ、会員の方々に喜んでいただけた。正直、二つのイベントがトラブルも無く終わったことにほっとしている。
サミットに駆けつけて下さった懐かしい方々をはじめ、ご来場下さった方々にお礼申上げます。


 静岡(富士宮)と兵庫(神戸)での二つのイベントをご案内します。お近くの方々のお越しをお待ちしています。


◎石の語りべ・須田郡司 トークライブ in とぅから家。

        バランシングストーン(ジンバヴエ)

日時  11月14日(日) START/15:00~

場所    楽菜ごはんかふぇ とぅから家。
      静岡県富士宮市東町21-9 
      ※駐車場最大5台。近くに有料駐車場あり。
料金  1500円 (ワンドリンク付)

写真展「巨石ハンター・須田郡司の世界」
11月1日(月)~11月14日(日) 水曜定休
(写真展の閲覧には入場料などはかかりません)

問い合わせ  TEL&FAX 050-7501-1394
http://blog.goo.ne.jp/fujinotakara

アクセス    JR富士宮駅から徒歩約3分



◎「石が語る、人がもの語る」・・・
  巨石ハンター・須田郡司のスライド&トーク in 神戸

       高山メンヒル(愛媛)

日時  12月12日(日) 14:00~17:00 (開場13:00)

場所  旧グッゲンハイム邸2階 
     神戸市垂水区塩屋町3-5-17 ※駐車場はありません。
料金  予約500円、当日700円(定員40名)

問い合わせ  篠崎洋一(しのざきよういち・発起人)
        電話:09083855835 
        メール:hiji-kawa108◎ezweb.ne.jp
          (◎を@に変えて下さい)
アクセス  山陽塩屋駅、JR塩屋駅より徒歩約5分

2010/09/30

イワクラサミット2010

 10月16日(土)、群馬県高崎市の榛名文化会館(エコール)でイワクラ(磐座)学会主催による「イワクラサミット in 上毛」が開催されます。今回、私はイワクラサミット上毛実行委員として、また演者として関り「世界石巡礼」の報告もさせていただきます。
皆様のご来場を、お待ちしています。


イワクラ(磐座)学会全国大会2010
「イワクラサミットin上毛」のお知らせ

 日時 2010年10月16日(土) 13:00~ (12:45 開場)

 会場 榛名文化会館エコール 小ホール
     群馬県高崎市上里見町1072-1
     TEL 027-374-5001
     交通:高崎駅より群馬バス(里見経由室田行き)、
     3番乗りから約40分、エコール前下車徒歩2分

 入場料:前売り・会員1,000円  当日1,500円
 前売りはFaxまたはEメールにてお申し込み下さい
 (参加費は当日会場受付にてお支払い下さい)

 主催 イワクラ(磐座)学会  http://iwakura.main.jp/
 問合せ:イワクラサミット上毛実行委員会事務局
 FAX: 047-321-1984
Eメール:info◎voiceofstone.com (◎を@に変えて下さい)

   <プログラム>

 12:45 受付
 13:00 イワクラサミット開会挨拶
     【基調講演】
 13:05 加藤碵一 (独)産業総合研究所フェロー・地質調査総合センター代表
     「石の美と神秘ーその形と成因を探る」
     【講演】
 13:55 江尻 潔 足利市美術館学芸員・詩人
     「榛名神社の巨石」
 14:35 休憩(5分)
 14:40 川島健二 民俗研究者
     「地名に刻まれた石の信仰」
 15:20 須田郡司 巨石ハンター・フォトグラファー
     「世界石巡礼の報告」

     【シンポジウム】 
 15:50 テーマ「上毛三山と巨石信仰」
     コーディネーター:須田郡司
     パネリスト:加藤碵一
           川島健二
           江尻 潔
 16:30 閉会

2010/08/15

神在神社の神石ナビ

 810日、お昼前頃、ダンキーさんから電話がかかってきた。

ダンキーさんはものまね芸人で、先月、下総中山の遠壽院で行なわれたお堂ライブに打ち上げで初めてお会いした。宴会で、なぜか我々夫婦が日本石巡礼中にどのように出会ったかなどを話しているうち、そのきっかけになった福岡の神在神社の神石の話しをする。ダンキーさんは、その話に興味を持ち、来月、福岡に帰省する際、ぜひ神石を訪ねたいと言った。私は神在神社からの神石までの簡単な地図を書いて渡し、場所がわからなかったら電話で教えて下さい、と頼まれていたのだ。


神石と出会ったのは日本石巡礼を終える半年ほど前の2006年春だった。

福岡県前原市の神在神社の奥の水田後の中にぽつんと安置されたように神石は鎮座していた。

ひよこのような形に見える巨石は、かつて水田だったと思しき篠林の中にあった。神石を見た後、神在神社に戻ると私は財布を無くしたことに気づいた。どこかに落としたと思い、神在神社から神石の間を3往復して探したが見つからなかった。財布には運転免許書、カード類、いくばくかの紙幣が入っていた。その後、免許書を再交付するため群馬に戻らなくてはならず、免許書不携帯のまま岡山の友人宅まで走った。妻とは、その夜、友人宅で初めて出会ったのである。

ある意味、神石は私にとっては縁結びの巨石でもあった。


ダンキーさんの声はやや興奮ぎみだった。一時間以上、荒地の中を歩いて探しているが神石らしき石が見つからないという。それから、しばらくしてまた電話があった。ある石を見つけたので確認して欲しいという。石の写真二枚が写メールで届いた。しかし、それは神石ではなかった。私は、記憶を呼戻しながら丁寧に説明をする。ただ、道無き道を歩いたため口頭でどこまで伝えることができるかは難しかった。しばらくして、また電話がかかってくるが、みつからない。ダンキーさんは、何としても神石に会いたいという強い思いが電話口からひしひしと伝わってくる。それからしばらくして、ダンキーさんから電話が来た。ダンキーさんは、何を思ったのか一緒に同行している友人に、もう一度神石の場所を説明してもらいたいといった。友人の方に話すとその場所に要領を得たように思えた。

 それから10分くらいして、ダンキーさんから「見つかりました」と吉報が入った。興奮ぎみに話してていて、見つけた瞬間に叫んでしまったため、畑で作業をしていた地主さんがやってきて怪しがられてしまったという。本当によかった。私も思わず叫んでいた。送られてきた写メールを見て、神石に違いないと確信した。それにしても、このように一途な思いで神石に向かったダンキーさんは、本当に素直な人だと思う。

届いた写メールは、神石とダンキーさんの歓喜のポーズだった。

 

「今度祝杯をあげましょ」

ありがたいことに、写メールで神石と再会することができた。とにかく、神石ナビができてほっとしている。


 郡司 拝




 81

千葉県南房総市白浜の「風流」で石川 仁とトークライブ「大地と海の石巡礼」を行なう。ご来場下さった方々にお礼申上げます。素敵な会場を提供下さった益戸育江さん、ありがとうございました。そして、今回の企画や広報、受付をしてくれた吉良康矢くん、明美さんに感謝します。

 88日 

NPO法人東京自由大学で、世界石巡礼報告会を行う。ご来場下さった方々にお礼申上げます。今回、小学3年生の桃太郎君も参加してくれ、和やかな雰囲気でさせていただくことができた。企画して下さった東京自由大学運営委員の方々に感謝します。

2010/07/26

東京カルチャーカルチャー

 7月24日土曜日の午後、お台場の東京カルチャーカルチャーで「須田郡司の巨石パーク」というイベントを行った。

ゲストの森内淳氏、進行の横山シンスケ氏と三人で二時間半のトークライブの中で約100点の映像を紹介。
猛暑の中、お台場に来ていただいた方々に感謝!

ライブレポートはこちらからご覧頂けます。


イベントのご案内

◎8/1(日)19:00~ 大地と海の石巡礼 石川仁×須田郡司トークライブ in 風流(千葉県南房総市)

海幸彦と山幸彦の語り~石川仁(冒険家)×須田郡司(巨石ハンター) 司会:益戸育江

日時 2010年8月1日(日) 午後7:00開演(6:30開場)
料金 1000円
場所 風流(南房総市白浜町根本) 


◎8/8(日)14:00~ 巨石ハンター須田郡司 世界石巡礼満願報告会 in 東京自由大学(東京都千代田区)
巨石ハンター須田郡司 世界石巡礼満願報告会
日時 2010年8月8日(日) 午後2:00~5:00
場所 NPO法人東京自由大学(東京都千代田区紺屋町5 T.M ビル2階)
 
参加費 2000円
TEL/FAX:03-3253-9870

2010/07/16

7月24日のイベントの訂正とお詫び

7月24日に東京・お台場東京カルチャーカルチャーで行われる須田郡司 巨石パークのチケットの申し込みが間違って案内されていました。
イベントに参加しようと思い手続きをしていただいた方々に、深くお詫び申し上げます。
現在は、正常になりましたので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
http://tcc.nifty.com/cs/catalog/tcc_schedule/catalog_100624203047_1.htm

須田郡司拝

2010/07/02

群馬、栃木、千葉の巨石との再会

 6月27日(日)、秋のイワクラツアーの下見で、イワクラ(磐座)学会の仲間5人で、群馬と栃木の巨石を訪ねた。
これらの巨石は何度か訪ねているが、季節によって表情が変わるため何度訪ねても面白い。
 榛名神社は、その入口から林立する奇岩に圧倒される。

神社の本殿は、巨岩に食い込んでいる。

その巨岩が御姿岩と呼ばれているのだが、神仏習合の頃は地蔵岩だった。
 前橋の産泰神社は、本殿の後ろに巨石がごろごろしていて、巨石信仰の原形をを残す神社である。

苔むした石が、実に美しい。
 足利の名草巨石群は、北関東で屈指の巨石だ。
弁慶の割石、

御供石、

そして巨石に上に値座する名草厳島神社。
さらに奥の院は、ごろごろと巨石が点在していた。

ここは、紀ノ国の古代女王「名草とべ」とのつながりがある場所でもある。
10月16日、17日に開催されるイワクラサミット上毛、イワクラツアーを何とか成功させたい。

 6月29日(火)、「こんにちはいっと6けん」(NHK首都圏センター)への番組出演の話をいただき、巨石を撮影しているところをビデオ撮影できないかとの依頼で急遽、千葉県君津市の笠石へ行くことになる。東京から高速バスで上総湊駅へ、そこからタクシーで30分、フルーツ村から笠石へ向かう。徒歩で30分ほど登ると笠石が見えてきた。

4年ぶりの再会だ。
笠石は崖の上にあり、苔蒸した岩は湿っていて滑りやすい。そんな足場の悪い状況の中、ディレクターのI氏はビデオ撮影に奮闘されていた。

撮影が終わると、日差しもでてきた。

梅雨の巨石は、実にしっとりとした質感があり新緑と交わって魅力的な景観を醸しだす。


お知らせ

・ ニフティ(株)が運営する情報サイト「デイリーポータルZ」に紹介されました。
http://portal.nifty.com/2010/06/28/c/

・ 7月7日(水)七夕 NHK総合「こんにちはいっと6けん」(NHK首都圏センター)に生出演します。
 放送予定時刻は、午前11時15分頃~ ※関東地方のみ

 宜しければ、どうぞご覧下さい。

TALK LIVE
須田郡司の巨石パーク

7
24日(土)開場12時 開演13
お台場・東京カルチャーカルチャー (ZeppTOKYO 2階のカフェです/地図はこちら
料金2,000円(当日2,500円)飲食代別


巨石を追い求め、カメラを片手に地球を一周した
巨石ハンター・須田郡司が巨石パークを建設???
須田郡司が妄想のなかで建築した
ジュラシック・パークならぬ巨石パークとは?
世界で撮ってきたベスト巨石をテーマ・パークの地図に配置しながら、
「須田郡司の巨石パーク」を完成させます。
夏休みの午後を巨石と共にお過ごしください!

ゲスト:スタジオ・エム・オー・ジー代表 森内淳

くわしくはniftyのホームページをご覧ください。

2010/06/28

新たなる旅路は市川からスタート 市川の鏡石

 世界石巡礼を終え、51日に帰国してから早くも二ヶ月が経とうとしている。この間、いくつかのイベントをさせていただく。

515日、港区のトータルヘルスデザインで石の語りべと写真展

522日、目黒区の緑ヶ丘文化会館で世界石巡礼終了報告会

529日、新宿区の(財)日本スペイン協会で石の語 りべ

6月 5日、東京学芸大学で環境教育セミナー「生物文化多様性とアニミズム」で講演

 多くの新しい方々との出会い、 嬉しい再会を得ることができました。ご来場いただきまして、誠 にありがとうございました。

 6月初旬から市川に新居を構えることになった。これも、巨石つながりで市川の恩師宅に長く居候させていただいご縁から市川が気に入ったからである。ゆったりと流れる江戸川、市川駅から大門通りをまっすぐ北上すると真間山弘法寺があり、ここには伏姫桜と呼ばれる見事なしだれ桜がある。

 

先日、市川を散策していたら「鏡石」と呼ばれる直径40cmほどの楕円状の石と出会った。その石は、京成市川真間駅の南口階段を降りてゆくとフェンス越にあるもので、何とも艶っぽいのだ。

線路のすぐ脇にある石には看板が立てられていて、次のような説明文があった。

『この石は、かつて弘法寺から国分寺へ向かう道筋の中川の橋の袂にあり、天保七年(1836年)に出版された江戸名所図絵に「鏡石」として紹介されている。石橋の際の水中にあり、この石根地中に入ることその際を知らず。故に一に要石とも号くといへり。この石が要石だとしたら動かすことはできない。ところが江戸名所図絵にある鏡石の付近には夫婦石が祀られていたという言い伝えがあった。もし、この石が夫婦石の片割であるなら、女性を象徴したものになり石の凹んだ面に水を溜めれば水鏡となって顔を映すことができる。「鏡石」の名はここから起こったもので、夫婦石は動かしてわならないことから「要石」とも呼ばれたもと思われる。』

フェンスの上から覗き込み、鏡石を見ると窪みに雨水が溜まっていた。確かに水鏡にもなりそうだ。それよりも何よりも陰石そのものに見える。鏡石を見ている間、何台もの京成電鉄の車両が走り去っていった。

線路のすぐ脇に佇む鏡石。この石の存在に気づく人は、どのくらいいるのだろう。フェンスによって隠されどこか知られざる存在になっているようだ。それにしても、夫婦石の片割の男石はいったいどこに消えたのだろう?それが気になる。


 ひょんなことから、この秋(1016日、17日)に行われるイワクラ(磐座)学会主催のイワクラサミット上毛&イワクラツアーに実行委員として、また演者として参加することになった。サミットとツアー情報は、後日お知らせします。

最近、某テレビ局から番組への生出演のオファーをいただく。巨石ハンターとして石へのこだわりを伝えたいと思う。ありがたいことである。



・今後のイベントのお知らせ


TALK LIVE
須田郡司の巨石パーク

7
24日(土)開場12時 開演13
お台場・東京カルチャーカルチャー (ZeppTOKYO 2階のカフェです/地図はこちら
料金2,000円(当日2,500円)飲食代別


巨石を追い求め、カメラを片手に地球を一周した
巨石ハンター・須田郡司が巨石パークを建設???
須田郡司が妄想のなかで建築した
ジュラシック・パークならぬ巨石パークとは?
世界で撮ってきたベスト巨石をテーマ・パークの地図に配置しながら、
「須田郡司の巨石パーク」を完成させます。
夏休みの午後を巨石と共にお過ごしください!

ゲスト:スタジオ・エム・オー・ジー代表 森内淳

くわしくはniftyのホームページをご覧ください。

2010/05/19

5月22日終了報告会 満席御礼

目黒区・緑が丘文化会館での終了報告会は、定員58名分のご予約を頂きましたので、受付を終了いたします。
これからも、全国で石の語りべの活動を積極的に行います。
今後の活動予定は、こちらのブログ又は須田郡司オフィシャルサイトにて告知させていただきますので、よろしくお願い致します。

2010/04/27

須田郡司 世界石巡礼終了報告会

須田郡司 世界石巡礼終了報告会のご案内
  
日時:2010年5月22日(土曜日)
開場:18時30分 開演:18時45分(20時30分終了予定)

会場:緑が丘文化会館・図書館 本館 第1研修室 
   東京都目黒区緑が丘二丁目14番23号
   会場の問合せ 03-3723-8741
交通:東急東横線・大井町線「自由が丘」駅徒歩約7分
  (LABIヤマダ電機自由が丘店の角を曲がってすぐです)
会場地図はこちら

参加費 1000円(税込)

定員58名(要予約/会場の都合上、早めの予約をお願い致します)

※ お申し付け予約は、お名前、連絡先、人数を明記の上、下記アドレスまで。
voice_of_stone◎sudagunji.com  ◎を@に変えてご送信下さい。

第1部 須田郡司 世界石巡礼終了報告会
第2部 須田郡司・森内淳(STUDIO M.O.G.代表)対談

 この度、約一年間に渡る世界石巡礼の活動が無事に終了する運びとなりました。
これまで世界42カ国、110か所以上の石・巨石たちを巡ることができました。
この活動を支えて下さった多くの方々に心より感謝を申上げます。
そこで、5月22日(土)晩、目黒区の緑ヶ丘文化会館におきまして世界石巡礼終了報告会を開きます。これまでの旅の軌跡、今後の活動などを踏まえてお話をさせていただきます。また、第2部ではこの一年間、旅のプロセスをインビューを通してHPで紹介してくれたSTUDIO M.O.G.代表の森内氏との対談を行います。

 皆様のご参加を心よりお待ち申上げます。
                        須田郡司 拝


※ 世界石巡礼終了報告会の終了後、近くで簡単な二次会を開く予定です。こちらにも参加される方は、「二次会に参加」とご明記下さい。

世界石巡礼最終地、ニュージーランドのオアマル ロックアート、エレファント・ロックス、石球

世界石巡礼の最終地は、ニュージーランドの南の島である。
 4月22日、シドニーからニュージーランドのクライストチャーチへ飛び、日本人宿に泊まる。ここは日本人経営のホステルで、多くのワーキングホリデーで滞在している日本の若者がいた。ある若者は、「ニュージーランドはトレッキングをすると美しい風景を見ることができて最高ですよ」、と言っていた。
翌日、インターシティのバスで3時間半ほどかけてクライストチャーチの南にあるオアマルへ向かった。オアマルは、良質の石灰岩が産出される場所で、その石はオアマルストーンと呼ばれ、ニュージーランドのあちこちの教会に使われていた。予約したホステルは、築150年の古い建物であった。

 4月24日、いよいよ最後の石巡礼である。
 その日は、コースト・ライン・ツアーズに予約をしていて、マオリ・ロックアート、エレファント・ロックス、そしてモエラキ・ボルダーの石球などを巡る事にしていた。

 お昼過ぎ、ドライバー兼ガイドのバースがやってきて出発。バースは、とても親切でよく笑う人だった。最初に、オアマル近郊にある古い教会を案内する。この教会は、もちろんオアマルストーンが使われていた。

 オアマルから83号線を北西へ約40kmほど走ったところに、Maerewhenuaマエレフェヌア遺跡とTakiroaタキロア遺跡がある。これらの遺跡はニュージーランドのロックアート遺跡のなかでも最も有名な遺跡であり、年間2万人を超す見学者が来るという。
初めにマエレフェヌア遺跡を見学する。道路からやや崖の道を上ってゆくと横長な洞窟が見える。


フェンスの中を覗くと。いくつかの壁画がある。

 この壁画は新石器時代の頃から描かれてきたものといわれる。
そこから車で5分ほど離れた場所にあるのがタキロア遺跡だ。こちらは、巨大な崖の下の窪地にいくつもの壁画があった。

マエレフェヌア遺跡と比べると、かなり鮮明に描かれていた。

タキロア遺跡の考古学的埋蔵物の中には、ニュージーランドにヨーロッパ人が渡ってくるはるか以前に絶滅した、飛べない巨鳥モアや固有種のウズラといった、鳥類の骨などもあったという。
 二つの遺跡は、それぞれにフェンスが張られていた。その理由は、勝手に壁画を剥がして持ってゆく人がいるためだ。これらのフェンスは、15年ほど前からフェンスは作られたという。ロックアートは現在確認されているもので大小数百箇所ある。しかし、その多くは私有地の中にあるため自由に見学することはできず、実際に見学できる場所は南島でタキロア遺跡、マエレフェヌア遺跡を入れて4ヶ所しかない。

 次にElephant Rocksエレファント・ロックスと呼ばれる巨石が点在する場所を訪ねる。ここは、映画「ナルニア国物語」のロケ地に使われた景勝地だ。牧場の中に、突然、奇岩怪石が姿を現す。

芝生の上に、巨大な石を配置したような不思議な風景で巨大な石の庭園といった感じである。



 これらの巨石は、今から2400~2600万年前に75~100mの海底のライムサンドが凝固して形成されたライムストーンでできている。このエレァント・ロックスは、一つの岩が象に似ているのではなくて、この巨石群全体がエレァント・ロックスと呼ばれているのだという。エレファント・ロックスは、緩やかな丘にユニークな巨石がいくつも点在していて、思わず石の上に上りたくなる雰囲気があった。

 ガイドのバースによれば、このエレファント・ロックスには世界中から素手で岩に上る人々がやってくるそうだ。それにしても、何とも心地良く、心を穏やかにしてくれる場所であった。

 最後に向かったのが、オアマルの南約38kmにあるモエラキと呼ばれる海岸地帯にあるMoeraki Borldersモエラキ・ボルダーだ。

ここには、まるで巨大な卵のような直径1m以上、重さ2トンほどの球形の巨石がゴロゴロと転がっていた。海岸にこのような丸石群があるとは実に面白い。


 マオリの伝説に寄ると「沖に沈んだカヌーから流れ着いた食料のカゴ」と語られているとか。これらの石球は、海底に沈殿する化石や骨のかけらなどが海中の鉱物の結晶が均等に付着して凝固したもので、約6000万年もの時間を経て現在の大きさにまで生成されたもの。かつて海底であったこの場所が隆起して海岸に姿を現したという。その周りを見ると、海岸の崖土の中から出てきた石もあった。


この石球群を見て、私はふとコスタリカのバナナ農園でみかけた石球を思い出した。土に半分以上埋もれた石球は、これから生まれようとしているようにも見える。

しばらく、石球の回りを巡りながら、ようやく世界石巡礼の旅が終ろうとしていることを実感していた。

 想えばこの一年、流れる眼差しで世界42カ国の巨石を駆け巡ることができた。世界には、古くから人間とのつながりを感じさせる石の世界が広がっていた。

小雨が降り始めたモエラキ海岸の石球を見ながら、ふと世界の状況を思い起こしていた。
この一年間の巡礼中、多くの場所で自然災害が発生していた。それは、人々が自然への畏怖心を失いかけているからなのかもしれないと。
 「世の中が、丸く収まりますように」と石球を前に祈りつづけた。

世界石巡礼は、今回の旅で終了しました。

これまで、世界石巡礼を支えて下さった友人、知人、恩師、そして親族の方々にあらためて深く御礼を申し上げます。
そして、この巡礼中、東京事務局としてサポートをしてくれたスタジオM.O.G.に深謝いたします。
ありがとうございました。

今後、この世界石巡礼の経験を生かして石の世界を広く伝えて行く所存です。

 最後に、この一年間の旅を同行し、様々な助言と叱咤激励をしつづけてくれた妻ひとみに感謝しつつ・・・。

        ニュージーランド、クライストチャーチにて

                          郡司 拝

2010/04/25

ブルーマウンテン、スリーシスターズ(The Three Sisters)とアボリジニの記憶

 アリス・スプリングスから3時間あまりのフライトでシドニーへ飛ぶ。窓から見えるオーストラリア最大の都市シドニーの街は、実に緑が豊かで美しい町並みが広がっていた。空港から予約をしていたホステルまでピックアップしてもらいチェックインする。そのホステルには、ワーキングホイデーで滞在している日本、韓国、アジア系の若者が多かった。

 421

 シドニーでブルーマウンテンの一日ツアーに参加する。

8時過ぎにミニバスに乗ると、ヨーロッパ、北欧、アジア、南米など多様な国々から20数名の人々と一緒だった。簡単な自己紹介をしてツアーは始まった。ブルーマウンテンは、シドニーから100kmほど離れていた。

バスは一時間ほどで、ブルーマウンテン近くの森にやってきた。ガイド兼ドライバーのソロモンは森の中を案内する。植物や動物の事をいろいろ説明し、最後に木が三本立っている場所にやってきた。

ここは、アボジニにとって聖なる場所だという。木には亀が彫られていた。

これらの木は、アボリジニの精神性を現しトーテムとして信仰されているそうだ。

その後、バスはブルーマウンテンが見える切り立った岩の上にやってきた。眼下には、深い深い森が横たわっていた。

森にはたくさんのユーカリの木が生えていて、その木からでる樹液の油分が、空気中に漂い太陽光に反射して、山々を青く見せるそうだ。それが「Blue Mountains = 青い山々」の由来だという。岩には、窪みがありそこにアボリジニのマークがあった。

その後、バスは違った崖の上へ向かった。

 ブルーマウンテン国立公園の入り口の町カトゥーンバ(Katoomba)にあるエコポイント(Echo Point)展望台からは、ジャミソン渓谷(Jamison Valley)にそびえ立つ三つの切り立つ岩柱が見えてきた。


これが、スリーシスターズ(The Three Sisters)である。この岩には、魔法で岩の姿に変えられた美しいアボリジニの3姉妹の伝説がある。

 かつて、この地で美しい3人姉妹と祈祷師の父親が平和な生活を営んでいた。ある日、魔物が娘たちを襲いにやって来た。驚いた父は魔術で娘たちを岩にし、自分をコトドリに変身させ、岩穴の中に逃げ込んだ。しかし父親も娘たちも一生人間に戻ることができなくなったという。

それと少し違う内容の伝承もある。

 昔々、カトゥンバ族の魔法使いと、メニヒ、ウインラ、ブネドゥと呼ばれ る三姉妹が住んでいた。三姉妹は、ネビアン族の勇敢な三兄弟に恋をしてしまった。しかし、昔からの掟で異族間の結婚は禁じられていた。若者達は、禁じられ た恋に命をかけて武力で娘達を奪おうとしたが、カトゥンバ族は抵抗し、やがて部族間の戦は激しくなった。魔法使いは戦が終わるまで娘達を岩に変えて隠さ せ、戦が終わったらもとに戻すつもりでいた。しかし、魔法使いは戦死してしまい、娘達は元の姿に戻れなくなってしまったとか。

エコポイント展望台から、渓谷に下って行くと滝が見えた。

そこにはいくつもの巨石が点在していた。

この山は不安定なため、スリーシスターズがはっきり見えることは少ないとう。今回は、かなりくっきりと見えて幸いだった。

最後にガイドは、アボリジが彫ったカンガルーの岩絵を見せてくれた。

 ブルーマウンテンには、多くの先住民の記憶が残っている。

         ニュージーランド、オアマルにて

                        郡司 拝

2010/04/19

オーストラリアの奇岩天国、デビルズ・マーブルズDevil's Marbles

 ウルルのロック・ツアーからアリス・スプリングスのホステルへ戻り、夕食をすませてからテナント・クリーク行きのグレイハンドバスに乗る。バスは約500kmの行程を7時間かけて走り、深夜1時半過ぎにテナント・クリークの町に到着した。前もって予約しておいたホステルの人に迎えに来てもらい、チェックインして就寝。

 翌16日
 お昼にデビルズ・マーブルズ行きのツアーへ出発する。ツアーと言っても参加者は、我々二人にガイド兼ドライバーの三人だ。

 天候に恵まれた中、車はスチュアート・ハイウエィを南下した。30分ほど走ると赤茶色した塔のようなものが目に入った。どこかメンヒルのように見えるが、それは大きな蟻塚群だった。ガイドのビルは車を停め、蟻塚を案内してくれた。


 蟻塚には女王蜂が一匹だけ入っていて、大きなものは2m以上近くある。この蟻塚ができるには約20年の歳月がかかるという。その風景は、どこか古代遺跡を想像させた。

 その後、車で30分ほど走ると左手奥に巨石群が姿を現した。

 これがアボリジニの人々から「悪魔の卵」と伝えられるデビルズ・マーブルズだ。テナント・クリークから南に約100kmのところにある。草原の中の奇岩がごろごろと広がっている。確かに卵のような丸い石もあちらこちらにあり、実に面白い風景だ。二つの卵が寄り添っているように見える巨石は、知られている。

 ビルは、これらの巨石を案内しながら、これらの奇岩がどのようにできたか説明してくれた。風雨の力で溶岩が冷え固まった花崗岩が数百万年の時を経て風化し、浸食を繰り返してこのような形になったこという。さらに奥に行くと、岩盤の上に丸い石がぽつんとあった。

 何とも面白いバランスだ。まるで人為的に置かれているようにも見える。思わず、巨石を押した写真を妻に撮ってもらう。

しばらくして、車で移動するとまた別な巨石群があった。
積み重ねられたように見える奇岩。

卵を立てたような巨石。

桃太郎岩や子象岩などなど・・。


巨石マニアにはたまらない。

 夕方、ビルはデビルズ・マーブルズ近くのキャンプ場でバーベキューの夕食をもてなしてくれた。
そして、彼は最後に近くの巨岩の上を案内してくれた。そこから見える石の風景は実に美しかった。
デビルズ・マーブルズは、奇岩天国である。

我々は、再び二つの卵石を訪ねデビルズ・マーブルズを後にした。


                 シドニーにて
                       郡司 拝