ウルルのロック・ツアーからアリス・スプリングスのホステルへ戻り、夕食をすませてからテナント・クリーク行きのグレイハンドバスに乗る。バスは約500kmの行程を7時間かけて走り、深夜1時半過ぎにテナント・クリークの町に到着した。前もって予約しておいたホステルの人に迎えに来てもらい、チェックインして就寝。
翌16日
お昼にデビルズ・マーブルズ行きのツアーへ出発する。ツアーと言っても参加者は、我々二人にガイド兼ドライバーの三人だ。
天候に恵まれた中、車はスチュアート・ハイウエィを南下した。30分ほど走ると赤茶色した塔のようなものが目に入った。どこかメンヒルのように見えるが、それは大きな蟻塚群だった。ガイドのビルは車を停め、蟻塚を案内してくれた。
蟻塚には女王蜂が一匹だけ入っていて、大きなものは2m以上近くある。この蟻塚ができるには約20年の歳月がかかるという。その風景は、どこか古代遺跡を想像させた。
その後、車で30分ほど走ると左手奥に巨石群が姿を現した。
これがアボリジニの人々から「悪魔の卵」と伝えられるデビルズ・マーブルズだ。テナント・クリークから南に約100kmのところにある。草原の中の奇岩がごろごろと広がっている。確かに卵のような丸い石もあちらこちらにあり、実に面白い風景だ。二つの卵が寄り添っているように見える巨石は、知られている。
ビルは、これらの巨石を案内しながら、これらの奇岩がどのようにできたか説明してくれた。風雨の力で溶岩が冷え固まった花崗岩が数百万年の時を経て風化し、浸食を繰り返してこのような形になったこという。さらに奥に行くと、岩盤の上に丸い石がぽつんとあった。
何とも面白いバランスだ。まるで人為的に置かれているようにも見える。思わず、巨石を押した写真を妻に撮ってもらう。
しばらくして、車で移動するとまた別な巨石群があった。
積み重ねられたように見える奇岩。
卵を立てたような巨石。
桃太郎岩や子象岩などなど・・。
巨石マニアにはたまらない。
夕方、ビルはデビルズ・マーブルズ近くのキャンプ場でバーベキューの夕食をもてなしてくれた。
そして、彼は最後に近くの巨岩の上を案内してくれた。そこから見える石の風景は実に美しかった。
デビルズ・マーブルズは、奇岩天国である。
我々は、再び二つの卵石を訪ねデビルズ・マーブルズを後にした。
シドニーにて
郡司 拝