4月21日
シドニーでブルーマウンテンの一日ツアーに参加する。
朝8時過ぎにミニバスに乗ると、ヨーロッパ、北欧、アジア、南米など多様な国々から20数名の人々と一緒だった。簡単な自己紹介をしてツアーは始まった。ブルーマウンテンは、シドニーから100kmほど離れていた。
バスは一時間ほどで、ブルーマウンテン近くの森にやってきた。ガイド兼ドライバーのソロモンは森の中を案内する。植物や動物の事をいろいろ説明し、最後に木が三本立っている場所にやってきた。
ここは、アボジニにとって聖なる場所だという。木には亀が彫られていた。
これらの木は、アボリジニの精神性を現しトーテムとして信仰されているそうだ。
その後、バスはブルーマウンテンが見える切り立った岩の上にやってきた。眼下には、深い深い森が横たわっていた。
森にはたくさんのユーカリの木が生えていて、その木からでる樹液の油分が、空気中に漂い太陽光に反射して、山々を青く見せるそうだ。それが「Blue Mountains = 青い山々」の由来だという。岩には、窪みがありそこにアボリジニのマークがあった。
その後、バスは違った崖の上へ向かった。
これが、スリーシスターズ(The Three Sisters)である。この岩には、魔法で岩の姿に変えられた美しいアボリジニの3姉妹の伝説がある。
かつて、この地で美しい3人姉妹と祈祷師の父親が平和な生活を営んでいた。ある日、魔物が娘たちを襲いにやって来た。驚いた父は魔術で娘たちを岩にし、自分をコトドリに変身させ、岩穴の中に逃げ込んだ。しかし父親も娘たちも一生人間に戻ることができなくなったという。
それと少し違う内容の伝承もある。
エコポイント展望台から、渓谷に下って行くと滝が見えた。
そこにはいくつもの巨石が点在していた。
この山は不安定なため、スリーシスターズがはっきり見えることは少ないとう。今回は、かなりくっきりと見えて幸いだった。
最後にガイドは、アボリジが彫ったカンガルーの岩絵を見せてくれた。
ブルーマウンテンには、多くの先住民の記憶が残っている。
郡司 拝