2010/03/01

タランパーヤTalampaja国立公園、先住民の記憶と奇岩群


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 イスチングアラスト州立公園と並んで、世界遺産に登録されているタランパーヤ自然公園のツアーに参加する。「月の谷」のツアーは小雨交じりだったが、今回は青空が顔を見せていた。

8時、ホテル前でピックアップしてもらい2時間のドライブで、タランパーヤ自然公園の入り口に到着する。入園料25ペソ、公園内のミニバス代65ペソを払い、10時半にツアーはスタートした。20分ほど走るとオフロードになり、やがて高さ140mもの浸食した地形が現れた。ガイドの説明は実に手際がよい。

タランパーヤ国立公園は、サニャガスタ山脈と、コロラドス山脈に囲まれた盆地に位置し公園内には、風と水によって浸食し削られた、魅力的でユニークな風景が広がっていた。

最初にピラミッド状の岩に近くにミニバスは停まった。

隣の岩に、二体の奇岩が見える。

岩の反対側にある崩れ落ちた岩石群には、先住民の先刻画「ペトログリフ」がたくさん刻まれていた。

岩には人物、動物など様々な画が刻まれていて、灰状穴もあった。



ここは、かつて宗教的に重要な場所であったという。

次に、岩盤をえぐるように半円状の溝が垂直に走った地形。

ガイトは、ここで皆で大きな声を出すように合図すると、4秒後に反響音がこだました。

やがて、国立公園を代表する風景であるラ・カテドラル(大聖堂)と呼ばれる、高さ120mの巨大な岩壁が現れた。

どこか、ガウディのサグラダ・ファミリアを感じさせる。その近くには、人が乗った駱駝岩、コンドルに似ているコンドル岩などがあった。


やがて、ミニバスは奥へと進み、最後の見所へと向かった。La TorreLa Totemと呼ばれる二つの塔の岩。

その奥にあるのが、エル・モンヘEl Monje(修道士)と呼ばれる岩だ。

日本であれば地蔵岩と名前が付けられそうな岩だ。帰りがけ、反対側からエル・モンヘを見ると、荒野に一人佇む姿に見えて実に渋い。

タランパーヤ国立公園の多くの奇岩群が、様々な名称を付けられ、人々から親しまれていることは嬉しいものがあった。奇岩は人々を楽しませ、そして豊かにしてくれる。

アルゼンチン、ブエノスアイレスにて 

                        郡司 拝


 追伸:227日深夜、我々はサンファンのあるホステルに宿泊していた。その夜、ホステルのスタッフの誕生日のパーティーに招かれ屋上には30人くらいの若者が集まってにぎやかな宴に参加していた。3時半頃、部屋に戻ると電球が揺れていた。私は、酔っているせいでその時、地震とは気付かなかった。翌朝、チリ地震のことを心配して義母からメールが届いた。深夜の揺れは、チリ地震のものだったのだ。


 チリ地震で亡くなった方々のご冥福をお祈りいたします。