2009/08/02

フランス、ブルターニュの巨石群

 7月30日から8月1日までブルターニュのいくつかの巨石を巡った。

 ヴェンヌからカルナックの町に入ると、まるで秋を感じさせる涼しさが漂っていた。
カルナックは、夏場の観光リゾート地だ。この涼しさの中、ビーチで日焼けをしたり泳ぐ人々がいるのには驚いた。フランス人は寒さに強い、そう思った。

 8年前、初めてカルナックを訪ねた時の衝撃は今でも忘れられない。高原の中に点在する列石群に圧倒された。メンヒル(石柱)を一列に並べたものは、アリーニュマン(列柱)と呼ばれ、何キロも石が連なっている景観は実に神秘的である。

 カルナックの列石は、先史時代、紀元前5000年頃に造られたものでケルト以前の巨石記念物で、そのほかに多くのドルメンやメンヒルが約3000個も点在している。

 カルナックの隣にあるロクマリケール村には、巨大なメンヒルがある。ドルメンの近くに横たわっているこのメンヒルは、四つに割れているが、かつては26mの高さで立っていたとされ、世界でも最大級のメンヒルだ。

モルビニ湾に浮かぶガブリニ島にあるドルメンは、隊道の石に不思議な文様が彫られていることで知られていた。ここは、ガイド付きのツアーを予約し参加しなければ中を見ることが出来ない。しかも、ドルメンの内部は撮影禁止(?)ときていた。小船に乗り20分ほどで島に上陸し、フランス語のガイドが始まる。ドルメンの上は石がひきつめられていて、円墳のようであった。隊道の石には、それぞれ微妙に違った文様が彫られていて魅力的だ。ドルメンの中で、渦や指紋のような文様を夢中になって見ていたら、酔ってしまう。久々の石酔いで、失敬ながら内部の写真を撮らせてもらった。

 最後に訪れたのは、レンヌから約30km離れたエッセにあるロシェ・オウ・フェーのドルメンが。通称「妖精の岩」とも呼ばれている。
小雨降る中、平原の中に佇む巨石を見た時、魂が震えた。

長さ約20m、幅約6m、高さ約3mあり、41個の石を組み合わせて作られていて、5つの部屋の構造になっていた。確かに、妖精がでてきそうな雰囲気だ。
私は、石室の中に入り、拍手を打ってから夢中でシャッターを押した。

 ブルターニュ地方の巨石を巡って感じたことは、巨石文化に対するフランス人の関心が高いということだ。かなり、マニアックな巨石にも多くの人々が訪れていた。そして、観光案内所は充実していて、地図やパンフレットを無料配布してくれるのは実にありがたい。
フランス人の巨石に対する意識の高さをあらためて認識する。
     
            ブルターニュ、レンヌにて 郡司 拝

今後の予定:8月3日、フランスのサンマロからフェリーで、イギリスのポーツマスへ移動します。