2009/08/18

アイルランド、ディングル半島のオガム・ストーンを拝む

8月14日(金)
トラリーの町から、ディングル半島に向かい、半島を巡るツアーに参加する。 ディングル半島をミニバスで走ると、何人もの人が徒歩で歩いていた。ここは、かなりの人気スポットのようだ。
 ここには、多くの遺跡が点在し、また現在でもゲール語(ケルト人の言葉に近い言語)を話す人達が多く暮らす場所だという。
最初に向かったのはディングルの町から少し離れた場所にあるオガム・ストーン。 道路沿いに立てられた5つの石は、まるで道祖神のように見える。

オガム・ストーンとはオガム文字が彫られた石で、この文字は4世紀頃から書かれたケルト最初の文字と言われる。 5つの母音と4つの子音を点と線で示し、木や石に刻まれたものでラテン語のアルファベットに基づいているといわれる。
 次に、800年から10世紀頃に造られた石造りの住居跡を訪ねる。晴れていれば海を望むことができる山の斜面に、いくつかの石の家があった。まるで蜂の巣に似ていることから蜂の巣小屋(Beehive Settlements)と呼ばれる。
 ガララス礼拝堂は、石造りのユニークな建物だった。まるで、船を上下にひっくり返したような形をしていて入口とその奥に穴が空いていた。7~9世紀頃に造られたもので、近くに石塚でできた僧侶の墓が隣接され石の墓標にはケルト十字が彫られていた。
面白いことに入口と裏の穴を東と西のライン状にあり、春分と秋分の日に太陽に光が、礼拝堂の中を通りぬける構造になっていることだ。
 最後にキルマルケダル教会に行く。
墓地に囲まれた古い教会には、日時計の石、オガム石、アルファベット石などが存在していた。特に興味深かったのは、ここのオガム石には穴があいていることだ。ガイドに寄れば、この穴を男女のそれぞれの中指を通して触れると、結ばれるという。


ディングル半島を巡っている間中、ほとんど霧で海の彼方は白の世界であった。しかし、霧の中に佇む石達は、つややかでしっとりとした光景を見せてくれた。
 オガム・ストーンを拝みながらケルト文化が色濃く残るディングル半島を後にした。

             アイルランド、ダブリンにて 郡司 拝