2009/08/12

スコットランド、湖畔に佇むリング・オブ・ブローガー

 8月9日(日)

インヴァネスからのオークニー諸島のメインランド島への一日ツアーに参加する。
メインランド島には、スコットランドを代表するストーンサークル、リング・オブ・ブロッガーがある。

インヴァネス朝7:30発のバスに乗りと、ほぼ満席状態だった。北上すること3時間でジョン・オグローツへ。フェリーに乗り換え45分でオークニーのメイランド島バーウィックに到着。バスに乗り換え、島内観光が始まる。ドライバーは、運転しながらマイクで観光ガイドをこなしていた。島内中心の町カークウォールで昼食休憩をして、最初の訪れたのは、スカラ・ブレイ(Skara Brae)遺跡。


 スカイル湾にある紀元前3100~2500年前の石積み集落跡は、1850年の暴雨風で偶然、発見されたという。新石器時代の遺跡としてヨーロッパで最も保存状態がよいため、1999年にユネスコの世界遺産に登録されている。集落群は600年間ほど使われ、その後、彼らは忽然と消えたといわれる。
バスが次に向ったのは、今回の目的地のストーンサークル、リング・オブ・ブロッガー だ。
駐車場から小高い丘上に目をやると、小さなスタンディング・ストーンがいくつも見える。私は、興奮しながら300mほどの小道を走った。すると、花畑の上に石達が現れた。

 紀元前2500~3000年の間に造られたストーンサークルは、もともと直径が104mもあり、ストーンヘンジよりも大きい。リング・オブ・ブロッガーの石は、高さ2~5mで、幅は1~2m、厚さは数10cmもどで、立っている石は36個のみだが、かつては60個あったと言われている。
実際にサークル状を歩くと、その大きさに圧倒される。周囲が壕に囲まれていて、その背後は二つの湖があり何とも穏やかな雰囲気がある。
これらの石が、いったい何のために作られたのか、また、どのような目的で使われていたのかは謎だという。
しばらくすると、別な観光バスがやってきた。リング・オブ・ブロッガー周りには、次第に多くの人々が集まってきた。観光客の多くは左回りにリングを回っている。
石と人々とのコラボレーションを見ながら、ふと思った。 古代の人々もこのストーンサークルの周りに集まっては、サークルを歩いていたのではないだろうかと。
人々の歩く光景を見ていると、まるで何かの儀式のようにみえてきた・・・。
その後、バスは近くにある他のスタンディング・ストーンの横を通過したが窓越しに説明するだけで降ろしてはくれなかった。

 オークニー諸島のメインランド島一日ツアーは、移動時間を含めトータル14時間半であった。その中で、リング・オブ・ブロッガーの滞在時間は、わずか20分しか与えられなかった。
しかし、わずかな時間であるが実際にストーンサークルに触れ合い、巡ることができ心から満足することが出来た。

                 ベルファーストにて、郡司 拝