2009/08/25

ドイツ、ゲルマン人の岩の聖地エクステルンシュタイネ

8月23日
 ドイツの西ザクセン地方のホルン・バート・マインベルクには、砂岩の奇岩がある。そこは、キリスト教以前からゲルマン人の聖地として信仰されていた岩の聖地といわれている。
 ビーレフェルト駅からホルン・バート・マインベルク行きの時刻とその後ヴェルニゲローデ行きの時刻を尋ねると、駅員は一日切符を購入したほうがいいと進めてくれた。なんと、この一日切符は5人まで一緒に使えてローカル線が乗り放題で37ユーロだというお得なものだ。我々は、さっそく切符を購入してホルン・バート・マインベルクへ向かった。
 二回の乗換え一時間ほどでホルン・バート・マインベルクに到着。そこからエクステルンシュタイネ行きのバスに乗り変え、10分ほどでトイトブルグの森に到着する。辺りは賑やかな音楽が演奏され、踊りを踊っている人で盛り上がっていた。カウボーイハットを被った人が多く、アメリカンポップスのようだった。森の道には大道芸人やミュージシャン、フリーマッケットなどの出店者がいて賑やかだ。
 しばらく森を歩くと、正面に巨大な奇岩が現れた。これが、ゲルマン人の聖地・エクステルンシュタイネかと思い、吸い込まれるように岩と岩の隙間の道を通って反対側に出た。その光景は、岩自身がまるで何かの生き物のように見えた。その威風堂々たる姿に、私は何度もシャッターを押していた。

 ここは、キリスト教以前においては、古代北欧神話エッダにも登場するゲルマン人の英雄神話の聖地でもあった。キリスト教の時代には、聖なる場所として巡礼地となり、岩にはキリスト教のレリーフが彫られている。岩をくりぬいて礼拝堂を造り、洞窟には修道士が住んでいたといわれる。その後、しばらく寂れたが、20世紀、ナチス時代には、地の龍脈(レイ・ライン)の中心地として脚光を浴びたという。
 エクステルンシュタイネの岩に上がると、様々な人々がいた。老若男女、子供から年配者、そして岩上でタロット・カードをするスピリチュアル系の人々など、やはりここはある意味でパワースポットとしての人気もあるのだろう。


それにしても、エクステルンシュタイネには年間約100万人が訪れているという。すごい数である。
この古層の岩の聖地が、人々を魅了して止まない何かがある。


             ドイツ、ヴェルニゲローデにて 郡司 拝