全羅南道からソウルに入った翌日、私はソウル市街の北西にある仁王山(808m)を目指した。
4月5日早朝、 地下鉄の独立門駅で降りると、リュック姿の中高年の姿が目立った。
この仁王山は、山全体が花崗岩の岩山で登山者達にとって人気のスポットのようだ。
ただ、この山は韓国軍の施設があるらしく登山ルートのポイントごとに若い兵士が監視をしていて、どこか物騒な印象を受けた。
仁王山山頂から下山し、麓の道を北に少し歩くと石窟庵入口の看板を見つけた。
これはと思い、私はさっそく入り口から急な石段を上がって行った。一度、山頂から下山してまた登るのはかなりこたえた。
三角状の石積みが現われ、しばらくすると巨岩が重なってできた岩屋が現われた。
岩屋の入口には「仁王山石窟庵」とあった。岩屋のスペースは畳6畳くらいはあるだろうか。
洞窟の中を覗くと、いくつもの仏像が安置され花の装飾がきれいに施されていた。
ちょうど、僧侶がご祈祷をしているらしく、二人の女性が読経のもと礼拝を繰り返していた。
読経はまるで謡のように聞こえて何とも心地よい。
このような岩屋信仰は、日本とも共通するものを感じる。
しかし、岩の隙間に現代風のアルミのドアがあったり、僧侶の岩内の住居にテレビや冷蔵庫が
あることに、どこか違和感を感じた。
こんな、岩屋の中までオール電化にしなくても・・・・。
追伸:ソウル発券で予定していた世界1周チケット購入を断念することにしました。
その理由は、世界1周チケットにはあまりにもルールが多く、それのルールに従うために、必要のない
フライトや行程を組まなくてはいけないということ。この旅の計画をそのチケットのルールに合わせると
いう本末転倒な結果になりそうだからです。今後のスケジュールは旅の中で、随時ご報告します。