2009/04/18

江華島のドルメン、舞踊公演

410日、モンゴルから再び韓国に入り、江華島(カンファド)へ向かった。

江華島は、ソウルから北にバスで約70分の処にあり、古くは軍事的要衝で開国を迫る西欧列強や日本との戦いの舞台にもなっていた。また、古代より人々が住み、高麗時代には都が置かれ歴史的な遺跡が多く高麗人参の栽培地でも知られている。

ここにはユネスコの世界遺産に登録された支石墓がある。支石墓とは、石で造られた古代の墓でコインドルまたはドルメンとも呼ばれている。ドルメン好きな私としては、どうしても江華島の支石墓を見たかった。なぜなら、江華島のドルメンは韓国で最も大きい支石墓があるからだ。江華島バスターミナルからタクシ-で支石墓を訪ねることにした。タクシードライバーに、大きなドルメンまで頼むと10分ほどでその支石墓に連れて行ってくれた。さすが、世界遺産に登録されているだけあってドルメンは整備された公園の中にあった。



狭い駐車場には、何台もの観光バスが停まっている。ドルメンは公園の外れにあり近づくとその大きさに驚く。

高さ2.5m、長さ7.1m、幅が5,5mの石組みが、フェンスの中に佇んでいるのだ。しばらくドルメンを撮影していると、石に触れたいという衝動が訪れ、思わずフェンスの中に入ってしまった。




ドルメンの穴を潜りながら石に触れると、ひんやりとした石肌が伝わってきた。

この石の遺構を造った人々と奈良の石舞台を造った人々は、仲間だったに違いない。

そんな事を思いながら、江華島を後にする。




その晩、我々は世宗(セジョン)文化会館で韓国を代表するコリオグラファーで舞踊家の金梅子(キム・メジャ)さんの舞踊公演を拝見した。




金さんとは、12年ほど前に行われた伊勢・猿田彦神社のご遷座祭で行われた「おひらききまつり」をご縁に出会い、沖縄の調査ツアーにもご一緒させて頂いていた。「おひらきまつり」では、「日巫女(イルム)」を拝見し、シャーマニックな踊りにとても感動した。

昨年11月に東京で行われた故・宇治土公貞明猿田彦神社宮司の「お別れ会」で金さんと久しぶりにお会いした。その後、これまで出版したいくつかの本を韓国に贈ったところ、金さんからソウルでの舞踊公演のご招待の知らせが届く。その頃、ちょうど韓国に滞在を予定していた。

その公演は、亡き宮司のお別れ会の時、細野晴臣さんと環太平洋モンゴロイドユニットの演奏を金梅子さんが拝見した時に、韓国での公演のコラボレーションを発案されたという。

世界石巡礼中に、韓国で金梅子さんの舞踊公演と、細野晴臣さん、鎌田東二さん、三上敏視さん達の演奏を一緒に拝見できるとは夢のような体験だった。

金さんのソロ、群舞、演奏のコラボレーションが心地よいハーモニーとなって内面的な世界へと誘ってくれた。

その夜、出演者の方々と同席させていただき、夢のような楽しい宴を過ごさせていただく。特に、金さんの師で釜山大学のある教授の方と出会い、岩とシャーマニズムの関係を聞かせていただいたことは印象的で、また韓国へ来なければならない・・。

仁川からフェリーで青島へ、中国の新幹線で泰山

                        泰山にて  郡司 拝