2010/01/13

カリブ海を望むマヤ遺跡、トゥルム遺跡で初みそぎ

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早朝、メリダからトゥルム行きのバスに乗り、3時過ぎに海岸のマヤ遺跡のある街、トゥルムに到着。バスターミナル近くの、ホステルにチェックインすると西欧人バックパッカーの若者でにぎわっていた。ホステルの中庭は広く、オープンキッチンに巨大なテーブル、木立に吊るされたいくつものハンモックに寛いでいる人々。


 翌8日早朝トゥルム遺跡へ向う。トゥルムとはマヤ語で城壁を意味する。ここは、もともと「日の昇る街」、「東端の街」とも呼ばれていた。遺跡は海に面する以外の三方を全て石積の壁で囲まれ、これが「城塞」といわれたのだろう。トゥルム遺跡の入口は全て小さく、中に入りまわりの城壁を見渡すと、どこか沖縄のグスクの中にいるような雰囲気と似ている。

この遺跡はマヤが最盛期を過ぎ、メキシコ高原のアステカ帝国が隆盛を誇っていた時代・スペイン到来時にも栄えていたマヤの遺跡だ。メキシコ高原(アステカ)とユカタン(マヤ)の海上貿易の拠点として栄えていたと考えられる。トゥルムは、マヤ文化が最後にたどり着いた場所であり、スペイン人がはじめて目にしたマヤ文化の城塞都市でもある。
トゥルム遺跡の中心的な施設がエル・カスティージョと呼ばれる場所だ。

ここは遺跡の中でも周囲を壁で囲まれ、特別な存在でトゥルムの聖域と考えられる。いくつもの神殿からなり、最も大きいのがククルカンの神殿で階段を登ったところの入口の柱が蛇になっているという。羽毛のある蛇・ククルカンは、トルテカ文化の影響を受けている。
神殿の瀬は東になり、カリブ海がある。つまり神殿を拝むことは、東を向くことになる。マヤの人達は東の日の出を拝んだ可能性がある。
トゥルム遺跡の北側の海にやや突き出たところに風の神殿が建っている。この神殿の基部は円形になっていた。


トゥルム遺跡を巡った後、我々はエル・カスティージョの裏手の断崖の下に下りてゆく。細かく白い砂浜と美しいカリブ海が待っていた。

また、この遺跡の中にはたくさんのイグアナが生息していて、特に海岸の岩場、城壁の石垣の中を住処としているようだ。

近づいても逃げない堂々たる姿、まるでこの神殿跡を守っているかのように見えた。

 2010年、初みそぎをこのトゥルム遺跡の浜ですることができた。

      グアテマラ、フローレスにて

                     須田郡司 拝