1月28日
コロンビア第二の都市メディジンは標高1500mあまりの山々に囲まれた盆地のなかにあった。巨大な建築物が町の至るところに点在していた。メディジンの中心地のホテルに泊まり、翌日、ローカルバスに乗り一名所ピエドラ・デル・ペニョールへ向かった。
メディジンのバスターミナルを出発し、しばらくすると連続するカーブが待っていた。辺りは起伏に富んだ緑豊かな田園風景で美しい。やがて、道路の両サイドに湖畔が見え隠れしていると、突然、巨大な岩が車窓から見えた。
何ともすごい迫力だ。興奮しながら写真を撮っていると、すぐにバスは巨岩の入口に停まった。そこから、トゥクトゥクに乗って、巨岩の麓までたどり着いた。下から見ると、さらにその巨大さに圧倒された。
巨岩には、まるで縫い目のような階段が縦筋に作られていた。
岩の麓にはお土産屋さんとレストランがあり、かなりの観光地のようだった。
我々は、さっそくその岩山に登ることにした。岩には大きな割れ目の溝があり、そこに階段が作られていた。
途中、聖母マリア像と思しき銅像が岩を見上げるように立てられてあった。
我々は、15分ほどで649段の階段を上って頂上に到着。頂上にはレストランやお土産さんがあり展望台からは360度のパノラマ風景が待っていた。
入り組んだ島々と湖が実に美しい。
エル・ペニョン市(el Peñol)のグアタペ(Guatape)村にある巨岩「ラ・ピエドラ・デル・ペニョール la piedra del peñol」は、巨岩の名所として知られている。高さ220mの一枚岩は、石英、長石、雲母で構成されていて、一説によると隕石によって出来たともいわれる。この岩山を最初に登頂したのが1954年、ルイスエドゥアルドビジェガスロペスLuis Eduardo Villegas Lo'pezという人物とされる。今では、ロッククライマーの登山ルートが24ヶ所もあり観光地だ。また、この岩はその場所の地名から別名「グアタペ ロックGuatape rock」とも呼ばれ、石に白い単語GUATAPEにペイントする計画があり、現時点ではGとIのマークが見える。これは近隣の自治体エル・ペニョン市からクレームがあり問題になっているらしい。
巨岩から降りて、周囲を巡るとほぼ垂直に切り立った岩盤が見えた。
それにしても実に奇妙な形をした一枚岩だ。岩にはキリスト教的な文字が描かれ信仰的なシンボルにもなっているようだ。上り口の反対側の巨岩の麓には、対になったような巨石があった。
実はこのグアタペ湖は今から25年ほど前に造られた人造湖である。エル・ペニョン市は、観光開発と水資源の確保として湖を造り、橋でつないで美しい景観を創ったのだ。いまでは、ホテルや別荘などが建ち並んでいた。そして、何と言ってもその中心的な存在がこの一枚岩ラ・ピエドラ・デル・ペニョールだ。
エル・ペニョン市の計画した人造湖は、この巨岩のさらなる聖地性を高めた。人々はこの岩に登り、人造湖の美しさに感動せずにはいられないだろう。
コロンビア、メデジンにて
郡司 拝