2009/07/04

バフレイヤ・オアシス、白砂漠の奇岩

7月1日

カイロからバスで約5時間、バウティ村に到着する。この村は、バフレイヤ・オアシス最大の村だ。
ここのホテルで昼食を食べ、少し休んでから午後3時半にトヨタ・ランドクルーザーに乗って黒砂漠と白漠のツアーに出発する。
        ホテルの石のモニュメント
ドライバーは青年タンバラ君28歳、かなりの飛ばし屋だった。時速100kmで走る砂漠は、ジェットコースターより怖い。車の窓を全開にすると、熱風が顔や身体に吹きつけ、まるで灼熱地獄を味わっているような錯覚になった。暑さが半ぱでないのだ。窓を半分くらい閉めて熱風を和らげながら走るが、やはり暑い。もちろん、車にはエアコンは無かった。 やがて、車窓には黒砂漠の風景が広がっていた。


30分ほどで車は小さなプールの横に停まった。ここは地下水をポンプで汲み上げ溜めているプールで、地元エジプト人の家族が水浴びをしていた。我々も、一緒に水浴びをさせてもらう。灼熱地獄から一転して極楽に変わったようで実に心地よかった。砂漠で水浴びとは、何とも贅沢な体験だ。
その後、車はひたすら真直ぐな道を2時間ほど走るとクルスタル・マウンテンと呼ばれる岩山にやってきた。

穴の開いた岩山が水晶でできているらしく近づくと、水晶の結晶が見えた。


この付近には、たくさんの水晶が落ちていた。本来、この岩山はもっと大きかったが見学者達が来ては岩を削り取ってしまったため、今では半分くらいの大きさになってしまったという。この穴も削られた後かと思うと、残念である。

途中、車は水を補給して、ひたすら走りつづける。
夕暮の中に、何とも不思議な岩が見えては消えて行く。サンセット近くになってようやく車は停まった。
そこは、白砂漠の中の奇岩群の真っ只中だった。
ドライバーは、幕を張り、焚き火をして夕食の準備を始めた。
しばらくすると、耳の大きなキツネ(デザート・フォックス)が餌を求めってやってきた。かなり近づいていた。 奇岩群は、次第に我々を幻想的な世界へと導いてくれた。何とも不思議で面白い光景だ。

 しばらくして、うとうとしていると10時に夕食の仕度ができた。ドライバーはコックにもなり、スープ、ご飯、ジャガイモの煮付、チキンの蒸し焼きなどを作ってくれ、贅沢なディナーをいただく。
夜は、月と星を見ながらマットの上に眠る。砂漠の野宿はとても快適だった。

翌朝、目を覚ますと白い奇岩群の中にいた。やわらかい日差しを浴びた岩達を見ていると、まるで擬人化して見えるようだった。一つ一つの石達がそれぞれ表情を持っていて、逆にこちらを見ているようなそんな印象を持った。

これらの岩は、海中のお微生物の死骸が積み重なって石灰岩の台地を作り、数千年に渡って侵食して奇岩が形成されたものだ。砂漠という苛酷な環境は、我々人間に対し実に魅力的な風景をプレゼントしてくれるものだと思う。
そして、地球上にはまだまだ知らない風景が待ってくれている・・・。
朝食をいただき、我々は白砂漠を後にした。

        エジプト、カイロにて  郡司 拝

追伸:今後の予定
7月4日、カイロからイスタンブールへ飛び、5日にギリシャへ、しばらくヨーロッパの石巡礼を行います。